『専属オペレータ選抜』(レプアイ015話) 「トドメは私が刺す」  バスターが故障し、苦戦しているゼロの前に、所属不明イレギュラー集団の親玉と思われるレプリロイドが現れた。 馬型のライドアーマーに跨がっており、顔は仮面によって隠されている。 (挿絵:tp://climbtorock.web.fc2.com/img-rock003/190422zaza-rihorse.jpg) 「ち……く、しょう……」 「我がサーベルの餌食になるがいい」  その時。  ズドォオオオオオ!!!! 青白い光のエネルギー弾によって敵の攻撃が弾かれた。 「何奴!」 「エックス!」 「なんとか間に合った」  ゼロの危機を救って現れたのは苦戦状況を知って駆けつけてきたエックスだった。 過去に何度もゼロにピンチの時に救ってもらった事があり、今回はその恩を返すシチュエーションとなった。 「所属不明のイレギュラー!何者だ!何が目的だ!」  エックスがエネルギーチャージをしながら銃口を向けて言い放つ。 「フッ。ひとまず引き上げるとしよう」 「待てッ!」  バリアを張って馬型ライドアーマーに跨がったイレギュラーとその集団はワープし去って行った。 「逃げられたか」  エックスはゼロの元へ駆け寄った。 「ゼロ!」 「エックス……かたじけない……」  その後エイリアのナビゲートの元、二人はハンターベースに転送された。  ハンターベース。休憩時間。オペレータ機器の操作説明を聞き終えたアイリスとベールは 休憩室に向かって歩いていた。 「ハンターベースは広いわね」 「あたし、ちょっとトイレ」  人間であるベールは休憩時間に用を足す必要があるため、トイレがある方へ歩いて行った。 「私はエネルギーチャージでもしておくかな」  アイリスはその先にあるエネルギードリンク販売機の前に行ったが、まだそんなにエネルギー残量が 減っていない事を知り、近くにある鏡の前に立った。  今朝はドタバタして慌てていたけど別に髪は乱れてはいる様子はなく、一安心。 今のアイリスに想いを寄せる相手はいないが、いつか現れるであろう想い人の事を想って、いつでも女性らしく、 かわいらしくありたいと願っており、おしゃれにはそれなりに気を遣っていた。 髪をかわいらしくアレンジする事で自分自身を好きでい続け、いつも輝ける私でありたいと願っていた。  休憩後は実際にオペレータ機器を操作する訓練に入った。機械の操作が得意なベールはすぐに馴染んだが、 アイリスはなかなか上手くいかずに手こずっている様子だった。 合間にミッションより帰還したゼロがエイリアと話をしているのを見かけ、ゼロが無事だった事を知り、 アイリスは内心ほっとしていた。  昼休み。食堂。 「はぁ〜、私、機械の操作がなかなか上手くいかなくて」 「アイリスはレプリなのに人間みたいな所があるからね」  朝と同じくアイリスはベールと同じテーブルで食事を取っていた。  そこで、近くのテーブルで食事をしている女性オペレータたちの話し声が耳に入ってきた。 「ねぇねぇ、聞いた? 近々、あのゼロ様の専属オペレータを選抜するんだって」 「うそぉー! あのゼロ様の!?」 「やっぱりベテランのエイリア先輩かなあ〜」 「えーーー!!! 誰が選ばれるんだろう?! 私が選ばれちゃったらどーしよー!」 「ミッションが終わった後で個室に呼び出されてお礼にぎゅ〜〜ってされちゃうかも」 「キャーーーッ!!!!!」  女性オペレータたちが何やらゼロの専属オペレータについての妄想話をしていた。  アイリスが彼女らの方向に耳を傾けていた。 「ふぅーん、人気あるんだ、ゼロ」 「なになに、アイリスも気になるの?」 「わ、わたしは別に」  ベールの問いかけにアイリスは内心ドキッとしていた。 (私はゼロに助けてもらったお礼をしたいだけ。私が気にしているのはそれだけよ……。きっと)  それから数日後。アイリスとベールはハンターベースでの生活に徐々に慣れてきていた。 朝礼でシグナスからオペレータたちへの通告があった。 「皆も知っての通り、ハンターのゼロの主要武器、ゼロバスターが破損した影響で今、 ゼロの戦闘力を強化するプロジェクトを考案中だ。そこで、彼をサポートする専属オペレータを選抜したいわけだが」  女性オペレータたちはしばしの間、固唾を飲んだ。 「ゼロの専属オペレータは……」 (ゴクリ……) 「アイリスに任命する」 「えっ、私……?」  研修に来たばかりの自分が選ばれるなんて、思いも寄らなかった展開に、 アイリスはしばらくの間、頭が追いつけずにいた。 (私がゼロの専属オペレータ、私がゼロの専属オペレータ、私がゼロの専属オペレータ……???) ――――――――  こんばんは〜。今回はレプアイの続き、15話を書きました。 前回からの展開で、ピンチになっているゼロを助けに来るエックス、を書きましたが、 これはX1のOPステージのシチュと対比させた展開にしました。 X1ではこの後でパーツカプセルを探しつつボスと戦ってエックスが強化されていきますが、 レプアイではゼロの戦闘力を強化するプロジェクトが始動する展開になります。 と同時にゼロとアイリスの関係も進展……という流れになりそうです。 それでは〜。